危うし!小学校英語
鳥飼 玖美子

定価: ¥ 767
販売価格: ¥ 767
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発売日: 2006-06
発売元: 文藝春秋
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安易な「英語教育必修化論」を討つ!
最近巷できかれる「現在の日本の学校英語教育は無意味だ」「小学校でも英語教育を推進すべきだ」という意見に対し、緻密な実証的見解からこれらの意見に対し慎重であると本書は主張している。
一般にことばというのは身近なものであるから、素人による無責任な言説がまかり通りやすい。本書は語学のプロとして、これらの安易な主張が具体的な根拠や論理を持たないものとしてしりぞけている。
しかしでは具体的にこれから日本がどのような国際理解教育、語学教育を展開すべきかとなると本書の枠を超えた、大きく、また難しい問題が展開してくるのである。
小学校英語推進に警鐘を鳴らす
英語を勉強するのはできるだけ早い方が良いという考えが幻想であることを気付かせてくれる本。
ある年齢を越えると言語習得が困難になるという学説は実は根拠が薄いそうだ。
はじめに結論ありきであるかのように、各市町村で進められていく小学校英語教育。
ソフト面から見てもハード面から見てもハードルは非常に高い。
様々な観点から総合的に判断して、著者は困難であると結論付けている。
現在は企業にも保護者にも国にも小学校英語推進派が多いように思える。いろいろな見解があるのでどれが正しいか評価することは出来ないが、いまの流れに警鐘を鳴らす著者の見解は貴重だ。
説得力ある小学校英語必修化反対論
本書の主な内容は、小学校での英語必修化反対論と英会話重視教育反対論の2つ。どちらも、現場の実情報告というミクロな視点と、統計などのマクロな視点をきっちり組み合わせ、高い説得力を持つ明快、秀逸な反対論となっている。
中教審の議論から、国が小学校英語必修化へ舵が切りつつある現状を説明。「外国語を始めるのは若い程いい」という信仰を帰国子女の統計から否定する。また、英語を習う小学生の3割が劣等感を持つこと、小学校で英語を学んだ子が中学校であっさり初学の子に英語の成績を抜かれるなど小学校英語が逆にマイナスになっているという。また、一定の質を持つ英語教諭をどう確保するかなど制度面の困難も問う。
会話教育の問題については、外国人講師の能力、モラルの低さを問うほか、文法能力の低下、文法中心教育で「おとなの英語」を話すことの重要性などを訴える。
概念的な反対論ではなく、体験や統計など一つ一つの事例に説得力があり、うなずかされた。